脂質異常症(高脂血症)は血液中の脂質に異常が生じた状態です。
血液中には3つの脂質があります。
①LDLコレステロール(悪玉):偏った食事や遺伝的な影響などで血液中に増えすぎると、動脈硬化を引き起こします。
②中性脂肪:エネルギー源の一つですが、血液中で増えすぎると動脈硬化が進行しやすくなります。
③HDLコレステロール(善玉):悪玉コレステロールを回収して、動脈硬化を防ぐ働きをします。
LDLコレステロール以外の悪玉の脂質を表すのが④non-HDLコレステロールです。
脂質異常症の診断基準 ①LDLコレステロール:140mg/dL以上(境界域 120-139) ②中性脂肪:150mg/dL以上  ③HDLコレステロール:40mg/dL未満  ④non-HDLコレステロール:170mg/dL以上(境界域 150-169)  注意:境界域の場合も、動脈硬化の他の危険因子が多い人では注意が必要です。

脂質異常症(高脂血症)の治療

3つの脂質、それぞれに対して治療目標があります。
①LDLコレステロール(悪玉):
狭心症・心筋梗塞を発症した人は、100mg/dL未満、または70mg/dl未満を目指します。その他、狭心症・心筋梗塞のリスクにより、それぞれ、120mg/dL未満などを目指します。
②中性脂肪:150mg/dL未満。
③HDLコレステロール(善玉):40mg/dL以上を目指します。

動脈硬化リスク因子

治療は、動脈硬化のリスク因子を考慮して行います。
<動脈硬化のリスク因子>
①糖尿病、②高血圧、③慢性腎臓病、④喫煙、⑤男性、⑥加齢
 女性は閉経前の場合、女性ホルモンの働きで動脈硬化が進行しにくくなっていると考えられていますが、逆に、閉経後は注意が必要です。