治療では、早期治療により重症化などを防ぐことが可能という報告もあり、早期治療が大切です。合併症として、 肺炎、脳炎、脳症、中耳炎などがあり、特に高齢者、乳児、基礎疾患を有する等のハイリスクの患者さんは注意をしてください。
おもに接触感染、飛沫感染によって感染します。例えば患者の咳やくしゃみなどによる鼻水や痰などによって感染しますが、それらを触った手などにより感染することもあります。このため、マスクは飛沫感染のみならず、接触感染にも有効です。例えば、どこかを触った手で鼻などをさわると感染するリスクがあり、このような場合の感染を防ぐ意味でもマスクの着用が推奨されます。
冬に有効するインフルエンザウイルスより呼吸器感染症で、毎年人口の5から10%程度が罹患するといわれていて、特に高齢者や体力の低下した人などでは重症化して命に関わる場合があるので注意が必要です。
変異を繰り返すため、毎年予防接種を受けることが大切です。
潜伏期は1日~3日程度といわれていてウイルスは発病してから数日間は排出されとされています。
発熱や喉の痛み、鼻水などで症状が始まる場合が多いですが、普通の風邪に比べて、筋肉痛や関節痛、全身のだるさ等の全身症状が強いことが特徴的です。一方で症状があまりなくて受診される方もいらっしゃるので、周囲のインフルエンザの流行状況などを見て医療機関に受診するようにしてください。
消化器症状として嘔吐、下痢、腹痛などがみられる方もいらっしゃいます。
脳症を併発した場合等は、痙攣や意識障害をきたし死に至る場合や、後遺症が残る場合もあります。重症化のリスクからも、インフルエンザワクチンの接種による予防が必要です。
検査は通常、咽頭ぬぐい液を用いた抗原の迅速検査を行ないます。
発症後早期では偽陰性になること、つまり、実際にはインフルエンザかかっているけれども検査では陽性にならない場合がありますので、周囲の流行状況や症状により必要に応じて再検査など必要となる場合があります。
治療は抗ウイルス薬を投与します。
抗ウイルス薬の早期投与により、重症化を防止することができるという報告あり、特に高齢者、乳児、基礎疾患を有するなど、インフルエンザにかかったときに重症化しやすいハイリスク患者は速やかに診断と治療を受けましょう。
抗ウイルス薬は原則、48時間以内に投与することが有効とされています。特に48時間以内に投薬すると解熱までの期間短縮が期待できるとされています。
抗ウイルス薬の種類は、内服薬や吸入を行うタイプのものもあり、患者さんの状態により決定します。
脳症等のリスクから、解熱薬はアセトアミノフェンを使用します。
登校(園)基準については、学校保健安全法では、「発熱した後5日、かつ解熱した後2日を経過するまでで、ただ し幼児(幼稚園児、保育所児)においては、発症した後5日、かつ解熱した後3日を 経過するまで」が、出席停止の目安とされています。
インフルエンザはまずかからないことが最も大切です。
飛沫感染や接触感染対策として、うがいや手洗い、マスクの着用などの一般的な予防法を行ないましょう。
また、インフルエンザワクチンの接種が有効であることが知られています。
インフルエンザワクチンは、生後6か月から接種可能で、感染予防効果だけでなく、重症化の予防効果があります。
特に持病を持つ人や、乳幼児、高齢者等の重症化が懸念される方には、早目にインフルエンザワクチンを接種しましょう。